■一般眼科外来



白内障とは
人の目をカメラにたとえると、レンズに相当する部分を水晶体といいます。
水晶体は前嚢と後嚢に分かれ、後嚢は皮質という柔らかい部分と中心の核を包んでいます。
白内障は、その水晶体の皮質や核が濁ってくる病気です。


皮質白内障
 

成熟白内障

原 因 加齢によるものがほとんどですが、その他、糖尿病やアトピーなどの全身疾患、ケガや
ぶどう膜炎などによるものもあります。
   
症 状 初期は光をまぶしく感じたり、かすんで見えたりします。
進行すると視力が低下しますが、失明することはありません。



治 療 初期は白内障の進行を抑えるための目薬を使いますが、
それで症状が回復するものではありません。ある程度進行した白内障には、
視力を回復させるため、手術を行うことになります。
詳しくは‘白内障日帰り手術について’をご参照ください。




緑内障とは
何らかの原因で眼と脳をつなぐ視神経という電線のような役割をする部分が障害を受けたものです。
見える範囲(視野)が徐々に狭くなりますが、初期はあまり自覚がなく、視力検査では発見できません。

原 因 眼圧の上昇による視神経の圧迫が大きな原因といわれています。
しかし眼圧が正常でも緑内障になることがあり(正常眼圧緑内障)、視神経の血のめぐりも関係していると疑われています。
   
種 類 原発開放隅角緑内障
眼圧が高いものと正常なものがあり、日本人には眼圧が正常なタイプが多いことがわかっています。

原発閉塞隅角緑内障
お年寄りに多いタイプで、急に眼圧が極端に上がり、眼痛、頭痛、吐き気を起こすことがあります。(急性緑内障発作)

先天緑内障
生まれつき眼圧が高いために発症するタイプです。

続発緑内障
眼の病気や外傷、薬の副作用によって起こります。

   
症 状

急性緑内障発作以外は、初期には自覚症状はありません。
視野障害はゆっくり進行しますので、かなり進行してから気づかれることがあります。




検 査 眼圧検査
重要な検査ですが、正常眼圧緑内障は発見できません。

眼底検査
視神経を直接観察する検査ですが、緑内障では視神経のくぼみが大きくなっています。

視野検査
ものが見える範囲を調べますが、進行度合いを調べるためにも重要です。



緑内障による視神経萎縮
 
OCT(光干渉断層計)

眼の奥にある神経周辺の網膜の厚みを測りますが、緑内障では厚みが薄くなります。



治 療 薬物治療
基本的な治療法で、目薬や飲み薬で眼圧を下げたり、眼の奥の血の巡りを改善します。

レーザー治療
閉塞隅角緑内障(特に急性緑内障)に多く用いられ、開放隅角緑内障に使うこともありますが、手術に比べて安全です。


急性緑内障発作
 

急性緑内障発作のスリット像
 

レーザー虹彩切開術後



手術
簡単に言うと、バイパスを作って眼の中の圧を逃がし、眼圧を下げる手術です。
視力や視野が回復するわけではないので、薬物治療などで効果がない場合に行います。




糖尿病網膜症とは
糖尿病の3大合併症の一つで、日本での中途失明原因の第1位である恐ろしい病気です。
眼の奥の網膜というカメラのフィルムに相当する部分に障害が起こりますが、糖尿病になってからの期間が長いほど発症しやすくなり、特に血糖コントロールが悪い状態が5年以上続くと危険といわれています。
初期にはほとんど自覚症状がないので、糖尿病の方は定期的な眼底検査が必要です。

種類と症状・治療


単純型網膜症

  単純型網膜症
網膜に小さな血管の瘤(毛細血管瘤)や点状の出血が現れますが無症状です。
この時点では、眼科的治療はまだ必要なく、3ヶ月に1回程度の定期検査を行いますが、血糖のコントロールには十分気をつけることが大切です。
   


増殖前型網膜症

  増殖前型網膜症
網膜により大きな出血や軟性白斑と呼ばれる白い浸出物が出現し、血管の異常な蛇行も見られます。
それでも自覚症状はまだ軽く、黒いものが目の前に見えたり、少しかすんだりする程度がほとんどです。
   


蛍光眼底検査

  眼科的には、この時期での治療が重要です。
腕から造影剤を注射して網膜の様子を調べる検査(蛍光眼底検査)を行います。
   


網膜光凝固(白っぽい斑点部分)

  その結果をみて、必要ならば、網膜をレーザー光線で凝固する治療(網膜光凝固)を行います。
これは外来で行いますが、1度ですまない場合、数回に分けて行うこともあります。
   
増殖型網膜症
網膜の出血、白斑に加え新生血管という異常血管や硝子体出血も起こし、視力が著しく低下します。
蛍光眼底検査を行い、網膜光凝固も必ず徹底的に行う必要がありますし、場合によっては、硝子体手術が必要になることもあります。




結膜炎とは
まぶたの裏側(瞼結膜)や、白目(球結膜)に炎症が起こっているもので、目やにや充血が主な症状です。

原 因 細菌感染、ウイルス感染、アレルギー、けが、化学薬品など様々です。



治 療 原因によって異なりますが、ばい菌を殺す薬や、充血を抑える薬を使います。



特に注意を要する結膜炎

はやり目(流行性角結膜炎)
アデノウイルスに感染して起こる結膜炎ですが、なぜ注意が必要なのでしょうか?
それは、非常にうつりやすいからです!
また、潜伏期間が約1週間あるのことから、感染してもすぐには症状は出ず、そのため、家庭や職場、学校などで集団発生しやすいのです。
主な症状は、充血と目やに、ころころした異物感、涙等ですが、特徴的なものとして、耳の前のリンパが腫れて痛くなる等も挙げられます。
まず、片眼に発症し、2〜3日してもう一方の眼にもうつることが多く、発症すると治るまで最低1週間かかります。
学校伝染病に指定されていますので、はやり目になったら治るまで出校停止になります。
家庭、職場などでも、タオルの共用やプール、温泉などは避け、手洗いをよくしてください。
治療は、約1週間の抗生物質と抗炎症剤の点眼ですが、まれに、黒目に白い斑点状の濁りが出る場合があり、その時は長期の治療が必要になることがあります。





眼精疲労とは

いわゆる疲れ目≠フことです。
眼が疲れても、その疲れに相当する病気が発見できない場合に眼精疲労と診断されます。




原 因 いろいろな原因が考えられますが、身体の疲労や寝不足、ストレス、合わない眼鏡の使用などがあります。



その他 似た症状として、眼の奥の痛みがありますが、眼が痛い場合は視力障害も同時に起こることが多く、それ以外では三叉神経痛という神経痛の一種や、頭痛などの原因によるものが多いようです。








 


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